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ジャンル |
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| 魚住ユキコ、初の完全オリジナル乙女小説書き下ろし! |
| 黒椿姫~雷鳥の暗殺者と公爵令息~ |
| 魚住ユキコ イラスト:カワハラ恋 |
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| 2009年07月03日発売 定価:560円(税込) |
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| 殺すのも愛すのも同じこと――。自分の命を狙ったことで処刑されるはずだった暗殺者レイフェンを、従者として雇った王女エルダ。暗殺者と暗殺対象の奇妙な生活が続くなか、腹黒で野心家の公爵令息ヒースコートがエルダに求婚! 強引にエルダを奪おうとする彼の前に、なんとレイフェンが現れて――!? ベストセラー作家・魚住ユキコ、初の完全オリジナル長編小説がついに登場! |
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登場人物 |
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エルダ |
| 人間不信でひねくれた性格の王女。王位継承権を持つゆえ、暗殺未遂に晒され続けている。 |
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ヒースコート |
| 公爵家の息子で、野心家の青年。エルダに求婚を迫るが……。 |
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■キャラ属性:
プレイボーイ
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レイフェン |
| かつてエルダを暗殺しようとした元刺客の従者。淡々とした性格。 |
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■キャラ属性:
クール
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ちょっと立ち読み |
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「今、自分がどんな顔をしてるかわかる?」
すっと背中を撫でながらヒースは囁く。
「頬は桜貝のように色づいて、唇が艶っぽく潤んでる。まつげは少し震えてるんだ……でも椿色の大きな瞳は、僕の口づけに屈しない。喉笛を狙う山猫みたいに鋭く輝いてる」
「そうよ」ヒースを見上げ、睨む。「あなたに殺される前に、私があなたを殺してやる。キスくらい、はなむけだと思えば安いもの」
「ふうん? だったらもう、僕は遠慮しなくていいのかな。強引すぎるのって紳士としてどうかと思わなくもないけど」
それこそ紳士然とした上品な微笑みを浮かべ、エルダの顎を強く押さえる。
「……嫌なら噛みついてみなよ。君が無力な山猫でないのなら」
「くっ……!」
エルダを挑発するように、ヒースの舌が口内を深くえぐる。
溢れた唾液がエルダの喉を伝う。背中から腰へと這う手。やがてヒースの湿った吐息が胸元へと下りていく。朱く散った口づけの痕に新たな痕を重ねるように強く吸われ、エルダは奥歯を噛みしめた。
駄目だ。足掻かなきゃ。この男の思い通りになど……!
「い……いやっ!」
エルダはありったけの力を込めて、ヒースを突き飛ばそうとした。
しかし手ごたえを感じるよりも早く、ふっと彼の身体が離れる。草木がざわめく音とともになにかが目の前を遮り、不思議に思って顔を上げた。
逆光の中で、風になびく黒い髪。
抜き身の長剣がまばゆく光り、エルダは目を細めた。
「レイフェン……?」
張りつめた気配を漂わせる背中が、エルダとヒースの間に立ちふさがっている。
構えた長剣が狙うのはヒースの左胸だ。今にも剣先がその部分を貫きそうで、戦慄が走る。
「すごいね。まるで気配を感じなかった」
剣を向けられてもひるみもせず、ヒースはレイフェンを見つめる。
「ご覧の通り、僕は丸腰だよ。その剣を収めてくれないか?」 |
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