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発売月
2010年08月
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ジャンル
ファンタジー
西洋風
中華風
和風
現代
学園
キャラ属性
クール
オレ様
王子様
紳士
ワンこ
熱血
プレイボーイ
その他
蒼月流れて華が散る ~絶華の姫~ 
美形男子よりどりみどりの中華風恋愛活劇!
蒼月流れて華が散る ~絶華の姫~ 
南咲麒麟 イラスト:香坂ゆう
2009年08月03日発売 定価:540円(税込)
絶華の姫――数百年に一度生まれる乙女を抱いた者は天下を取れるという。私が、その伝説の姫――!? 色気ナシ、食欲旺盛な元気少女の琶遙は、絶華の姫として皇帝配下に狙われる身。飄々とした天才肌の師匠・志天勝に守られ、純情な幼馴染・蒼翼と逃避行へ。旅先でまたも襲われた琶遙は、超美形の貴公子に助けられる。優しい煌科洛――その正体は宮廷の手先!? 中華風恋愛活劇!
■ジャンル: ファンタジー中華風
 
登場人物
琶遙
明るく前向きな元気少女。「絶華の姫」として宮廷から狙われ、逃避行の旅を続けている。
 
志天勝
飄々とした性格を持つ琶遙と蒼翼の師匠。なんでもこなせる天才肌にして、女好きの色男。
■キャラ属性: プレイボーイ
蒼翼
琶遙の幼馴染みで、逃避行を共にする。根は純情だが、不器用な性格で琶遙の前ではぶっきらぼうな態度も。
■キャラ属性: 熱血
煌科洛
襲われていた琶遙を助けた優しい紳士的な青年。琶遙を宮廷に誘うが……。
■キャラ属性: 紳士
 
ちょっと立ち読み
 とにかく元気、という言葉が何よりも似合う溌溂とした旅装束の娘である。歳は十五、六といったところか。目鼻立ちの整った顔に、まだどこか幼さを残す大きな漆黒の瞳。同色の豊かな黒髪を高い位置で結わえており、腰には装飾の美しい細身の剣を佩いている。年齢的に女性らしい豊満な肢体にはほど遠いが、武術の心得があるのか均整のとれたすっきりとした立ち姿で、今は何らかの事情でひどく怒っているが、もともとは笑顔が映えそうな天真爛漫で愛嬌のある顔立ちをしていた。
「蒼翼ってば! そこで無視してんじゃないわよっ」
「……なんか文句あんのか?」
 少し前を歩いていた少年が、のろのろと不機嫌そうな顔を向けた。その態度に琶遙はさらに怒りを募らせる。わざと遅めのその反応にも腹が立つし、いつもなら結構イケてると認める彼の負けん気の強そうな顔すらも今は無性に憎らしい。
 ひとつ年上の蒼翼は、琶遙にとって兄弟子にあたる存在で今年十六歳になる。いつも見苦しくない程度には身なりを整えているが、肩の上辺りで無造作に切られた栗毛色の髪といい隙のない身のこなしといい、どこか野性的な感じのする少年だ。両刃の剣が背中に携えられているが、それは護身用と呼ぶには立派すぎる代物であり破壊力はあるが相当な力量がないと使いこなせないだろう。
 実際に武芸に秀でた者独特の意志の強そうな面立ちをしており、同時にどこか相手を和ませるような澄んだ綺麗な目をしていた。彼もまた商人には見えない出で立ちである。
「文句なんかあるわよ、おおありだわっ」
 蒼翼に向かって、琶遙はびしりと指を突きつける。心外そうに眉をしかめる彼には、本当に心当たりがないらしい。さらにムカつくことに「きっと琶遙のことだから俺の気づかないような下らねぇことで怒っているに違いない」と顔に書いてある。
「全然、覚えてないんだ」
「分かっているなら早く言え」
「言われなくても言うわよ、今!」
 心底、反省しなさいとばかり琶遙は胸を張ると蒼翼に向かって言い放つ。
「いい? 私が怒っているのはさっきの団子のことよっ」
「?」
「なんで勝手にお団子ふたつ食べちゃったの!?」
「……」
「忘れたとは言わせないわ! 私、街を出てからずぅぅぅと考えてたんだから」
 自信たっぷりに声を張り上げる琶遙に対して、蒼翼の返答は長い長いため息だった。彼らの様子を見るとはなしに見ていた商人達も「なんだ、ただの痴話喧嘩か」と呆れたように歩みを再開する。
「お前なぁ……またそんなしょうもないことで怒ってんのかよ?」
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